背中

彼らは、「与えられる」ことが当たり前なのだと。「やらされる」ことばかりで自ら「こうしよう」と思ったことをやる機会が与えられなかったんだと。音楽は、ただとにかく大きな声で歌えば褒められ、小さな声だと活を入れられ、むずかしい指使いにとまどってもリコーダーに集中する時間が無く、そのすばらしさ、楽しさを知らないままただテクニックを要求される。

“恐竜3D図鑑”
インフォマックス (著)

 恐竜は大人にとっても子供にとっても、人気のある素材の一つではなかろうか。絵本でも多くの恐竜ものがあるが、この本は3Dで、付属のめがねを通して見ると、まるで浮き上がって見えて来る。恐竜が好きな子は同じ場面をいくらでも見ているに違いない。

 そして、そのうちに、舌を噛みそうな恐竜の名や時代の名前を空でスラスラと言える様になる。そして本当に理解しているのかなと思うぐらい、その当時の事を語り出す様になる。まさに恐竜博士となる訳である。

 人が本当に好きになれば、それがどれだけ難解な名前であっても、事実関係であっても、まるでマジシャンの様に、それらを操り出す。好きになるきっかけはひと様々で、決まったパターンはなかろう。しかし、自由に思いを馳せる事ができる環境の中で、興味のありそうな素材を大人が提供したりする事で、本人が自ら学び始めるのだと思う。

 そしてそんな子供たちに、大人が共に本当に喜んでくれているという実感と本物の自信を与える為には、大人自身が日頃から、「学び」への思いを持ち、内に喜び体験をしておく事が必要になるのだろう。結局、ボールは大人に返って来る。

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