人は何かを表現する時には必ずある前提をおいている。意識して省いている場合もあるが、あまりに当然の事として空気の様に感じている為、触れない場合もある。しかし、時に異文化の人たちとコミュニケーション(相互理解)をとろうとした時に自分自身が持っていた暗黙の前提に気づかされることがある。
2008年2〜3月に朝日新聞で世論調査が実施された。これによれば、信用できない人や企業が6割以上で不信感が目立っており、またその中で日本のインフラを整備・維持すべき立場にいる政治家や官僚への信用度は一番低く18%に過ぎなかった。多分、政官関係者は身内意識として、最善を尽くし、「すべき事」をしていると「信じている」のであろう。しかし視点が同質の文化の中に留まる限り、何が思考の盲点になっているかを自ら悟る事は難しい。やはり本来「前提」の見直しは、違った文化を持った他者との対話の方がより効果的なものとなる。
私たちは、外国での出来事が日常生活にダイレクトに影響する時代に住んでいる。ローカルな人間関係を大事にしつつも、同時に異なる文化との対話を意識的に持つ姿勢が必要である様に思う。