Core Value

今の人たちの中に、開発途上国での色々な出来事をとりあげて非難する向きがありますが、たかだか数十年前の日本でも、こうしたことが日常的に行われていたことを、知っておく必要があります。
善悪の基準も、時代によって変わってきます。

“せんりのくつ”
大石 真 (著), 若菜 珪

 食べるのに困った母親によって、山に置き去りにされた子供たち三人は、互いに助け合いながら山小屋に向かうが、そこは鬼の棲む家。同居している「ばあさま」に助けられ、逃げ出す途中で、それを追って来て、鬼から千里を飛ぶことのできる靴をはいたまま、一休みしているところに遭遇してしまう。そして兄弟は勇気を出して、その靴を盗み出し、無事母親の元に帰り、幸せに暮らしました。という所でこの本は終わる。 “Core Value” の続きを読む

見える風景と見えない風景

彼女の方に目をやると地面にしゃがみ込んでじっと蟻を眺めている…
いつからだろう?蟻をああやって見なくなったのは…
お母さんが「頑張ってるね〜」と女の子に蟻を指差して話す…
女の子は夢中でお母さんの話しなど聞いていない…
僕もあんなに夢中で蟻を見ていたのだろうか?…

“もりのかくれんぼう”
末吉 暁子 (著), 林 明子 (イラスト)


 いつも見慣れた団地の風景がふっとした瞬間に、大きな森になり、そこではくま、りす、さる、きつねなどがかくれんぼをしている。そしてそこに迷い込んだ「けいこ」も動物のリーダーの「かくれんぼう」に引き込まれ、一緒にかくれぼう。「けいこ」が鬼になり、数をかぞえている時に、いつの間にか、元の団地にたっていた。そんなお話。 “見える風景と見えない風景” の続きを読む

Life

・「一生懸命働くこと」が最も大事で有効な方法であると指摘しています。自分がなすべき仕事に没頭し、工夫をこらし、努力を重ねていくことは、与えられた今日という一日、今という一瞬を大切に生きることにつながるので、一日一日を「ど真剣」に生きよと主張しています。

“もみの木”, ハンス・クリスチャン・アンデルセン (著)/スベン・オットー (イラスト)

 切ないお話である。外界にのみ目を向けたもみの木は、お日さまのひかりや風が言う「若さ」の意味するところを知らず、まだ見ぬ世界に思いをはせて過ごしていた。

 そしてやがて森から切り出されてクリスマスツリーとして飾られ、その絶頂期を迎えるが、翌日は納屋の中。初めはまだ希望を持って過ごすが、ネズミたちに自分の思い出を語るうちに、それまで気づかなかった「若さ」の意味を知ることになり、最期に焚き木として消えて行く。

 一瞬の積み重ねが生活になり、そしてその積み重ねが人生になる。自分の内なる「自分」と対話する事なく、外側にいる「他人」との会話の中で、人生の羅針盤を決め続ける時、周りが満足する様なあり方は実現できるかもしれない。

 しかし、そんな風に長く航海をすればする程、本来自分が思い描いていた「自分」から大きくずれ、気づいた時には埋めきれないギャップの前で呆然として、「できるときに、もっと楽しんでおけばよかった。おしまい、おしまい!」と思わず嘆くのではなかろうか、ちょうど、このもみの木の様に。

DMers by BlogPeople
テクノラティプロフィール