夢と共鳴

“ねむっちゃだめだよ かえるくん”, さくら ともこ (著), 塩田 守男

 かえるは外温動物で、春になるまで休眠するのが常。その常識をこの本でひねってみせている。冬を見た事がない7匹のカエルたちが他の動物たちの話を聞くうちに、自分達も雪がみたいと思い出した。

 そして全員で協力して眠らないようにする事を決意。が、外が寒くなるうちについウトウトしてしまう。しかしそれでも雪を見たくてたまらないカエルたちは頑張っている。そんなカエルたちのがんばりを、初め無理だからといっていた仲間たちも応援しようと気持ちになり、ついには雪を見る事に成功し、そしてそのままスヤスヤ。

 今までの常識をひっくり返し、それに挑もうとするカエルたちの切なる思いが周りを少しずつ動かし、遂には目的を達成する。逆の視点に立つと、そんなカエル達を暖かく見守る仲間の存在なくして、雪を見る「事業」を到底成功させる事ができなかった訳だ。ビジネスにとっても同じで、リーダーの夢や思いに最後まで共鳴してくれるような仲間の存在が不可欠なのであろう。

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