感情

 サービス活動に従事しているとき、人は「べき」と「したい」という二つの思いの間で揺れ動き、その状況に応じて「〜する」という決断をして、アクションしていく。オペレーションが確立し、マネジメント側のコミュニケーションの仕方やその環境がコマンド的であればあるほど、「べき」という判断を、現場はしていくであろう。

 サービス活動の肝は「感情」であるのに対し、「べき」に傾けば傾くほど,「モノ」や「情報」現場に類似するが、ここで前者が良いとか、後者が悪いとかの問題ではない。例えば、クライエント側やその時の状況が、マイナスの感情の中に留まっている時,スタッフ側が共感をバリバリ働かせ続けているなら、精神的にかなりの疲労感を蓄積し,長期的には不可逆的な状態に陥ってしまいかねない。時に,危機管理として、「他人事」モードが必要な場面が、職業人としては、あるように感じている。

 「感情」の本質は、「快」と「不快」である。そして、幾多の経験値を積み重ね、メタ認識が発達すると共に、それが分化し、より複雑な感情を生み出す様になる。価値観とは、その様な感情を象徴化したもので、思考スタイルはその価値観を実現する為の内的・外的行動様式であろう。だから、その時の感情が変化すれば,価値観も変化し、行動様式も大きく変化する。例えば、誰かをお茶に誘う時、会社の同僚を誘うときと、好きな人を誘うときでは,心持ちも、言葉使いも大きく異なるであろう。

 付加価値のあるサービス活動であればあるほど、顧客の満足度向上に関して,その「場」に発生するこの「感情」を如何にプラスに高めるかが大きな課題である。「感情」という商品を扱う現場をバックヤードから支援する立場のマネジメント側の課題は、「不満足」を減らす目的で導入されているシステム運用だけでなく、「満足」を向上させるアナログな顧客との対話を促進させる環境と働きかけも大事なのであろう。

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