巨人達の足元の狭間で

しょうぼうじどうしゃじぷた
 この絵本の舞台は消防署で、4台の登場人物(車?)が出て来る。はしご車、高圧車、救急車、そしてジープを改造して消防自動車にした「じぷた」である。前3台が華々しい脚光を浴び、いつも出動するのに対し、じぷたはいつもお留守番。誰も目に留めてくれる人はおらず、じぷたは悲しい思いをしていた。

 ところがある時、やまごやが燃えて火事になったが、他の3台は大きすぎて消しにいくことができない。そこで、じぷたが皆の期待を一心に担って消火活動。無事に火も消え、周りの賞賛をあびる。

 この本は1963年に出版されたもの。その後、バブルを迎え、重厚長大から軽薄短小に重きがおかれる時代になるまで、やはり大きい事には価値があった時代なのであろう。しかし、そんな時代の中でも、作者は片隅にひっそりとしているような、小さき存在に愛情の目を注ぐ様な人だったと文章の中から感じられる。

 今や、40年前とは様相を異にし、限りなく個人の志向に合わせたサービスや製品が出現している。そしてそんな生活に若年層の世代はどっぷりつかっている。しかし彼らを受け入れる社会の中心層は、ちょうど、じぷたが生まれた時代前後に子ども/青年だった人たちが中心だ。

 だが一部とはいえ、ルールが明文化され、自由な経済活動が営める分野では、流動化の時代にあった人材がにょきにょきと出現してきている。酒が新しくなりつつある中で、それを入れる容器の見直しとそれに伴う混乱は避けられないだろうが、どんな時でも小さき存在への眼差しは忘れてもらいたくない。

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